銀河英雄伝説(6巻〜7巻)


…この日記,すっかり銀河英雄伝説読書日記と化していますな。更新ペースは遅いし,更新したと思ったらまた銀英伝だし…ということで,もし定期的にチェックされている方がいらっしゃいましたら,本当に申し訳ありません。でも,正伝10巻を読み終えるまで,まだこの状態は続くのですw ちなみに,ネタバレもありますのでご注意を。


前の日記にも書いているように,私は「専制君主としてのラインハルト」と「民主主義者としてのヤン」という対比に注目して読んでいるので,ヤンが自由惑星同盟を離脱する展開は意外でした。まぁ,暗殺されかけたがゆえにやむなく離脱したのだし,ヤンが民主主義の御旗を掲げているのは相変わらずなわけですが。ただ,私としてはヤンは自由惑星同盟という政府に縛られ続けるのだろうとは思っていたので,ある意味で「革命家」的な立ち居地に立つとは思っていなかったですね。まぁそういう意味でも,ラインハルトが自由惑星同盟を屈せしめた5巻までが,この物語の一つの区切りではあったのでしょう。


…とはいえ,無能な自由惑星同盟から自由になったからといって,ヤンが自由に裁量を振るえるようになったかというと,まったくそんなことはありません。自由惑星同盟から脱出したのは良いものの,戦力はほとんどありませんし,手を結んだエル・ファルシの革命政府の首脳もやはり優秀とはいえないようで,ヤンの苦悩は相変わらずです。さらには,その少ない戦力でラインハルト率いる銀河帝国と戦っていかねばならなくなったわけですから,状況はむしろ悪化しているように思えます。今後は,政治的な駆け引きから反帝国勢力を結集していかねばならないわけで,その点が見所になっていくのでしょうね。


にしても,今までもそうではありましたが,6,7巻では書き方がますます歴史ものっぽくなっていて,「後世の歴史家は,ヤンのこの行動を…と評している」みたいな記述が増えてきている気がします。そういう書き方の中で,最終的にヤンが死ぬであろうことまで書いてしまっています。ある意味ではネタバレなのですが,まぁある程度は予想しうることですし,それがわかっていたからといってつまらなくなるものでもないんでしょうね。あくまでこの物語は「終わった歴史」を語っているのであって,結果の意外性などではなく過程にこそ魅力があるということなのでしょう。…ともかく8巻以降でも,先のことがある程度わかっていても楽しめるような内容を期待しております。


蛇足。友人から教えてもらったのですが,アニメ版・銀英伝ロイエンタールの声は,「強力わかもと」こと若本規夫さんなんですね!ロイエンタールのイメージというと,シリアスで冷徹で二枚目で…ですし,年齢から見ても若いので,どうにも違和感がありますw もちろん,実際にアニメを見てみたら,それほど違和感ないのでしょうけれど。
ちなみに,だれだったら若本さんっぽいかなぁというと,悪役っぽいオーベルシュタインでしょうか。ただ,意外にシェーンコップとかもありかなぁという気もしました。「ぃよぉぅ,ゆぅぅりあん!(よう,ユリアン!)」みたいな感じでw また,5巻で,ヤンにラインハルトを討つように詰め寄るシーンなんかも,結構いいかもなぁと思ったり。まぁ,人によってはかなり異論もあるでしょうけれどw