時雨沢恵一

「キノの旅12」

1年ぶりのシリーズ最新刊。年に一度の刊行というペースはとてもよいなぁ。「キノの旅」は一話が独立した短編になっていて、全体を通しての大きなストーリーがあるわけでもないので、続きが気になるタイプの作品ではありません。それでも、なんとなくたまに読…

「キノの旅11」

ある春の日。山からの冷たい雪解け水が、森の緑に活力を与え始める頃―――。 朝の日を背に受けて、キノとエルメスは、とある国を見下ろす山の上にいました。あとはもう道を下っていくと、そこにある森に囲まれた広い城壁の中へと、城門へとたどり着く場所でし…

「キノの旅Ⅹ」

―「いい歌だった。歌もいいけど、歌手の声と歌い方がとても素敵だった。気に入った」 「おや、キノがそこまで満足げに言うとは珍しい」歌が終わった直後から、 まるでそれがスイッチだったかのように、広場には人の動きが生まれていた。 歩いて城壁へ向かう…