森見登美彦

「恋文の技術」

京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。 今まで読んだ森見氏の作品が「太陽の塔…

「四畳半神話体系」

妄想してないで、とっとと恋路を走りやがれ! 私は冴えない大学三回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できればピカピカの一回生に戻ってやり直したい! 四つの平行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー…

「夜は短し歩けよ乙女」

私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。 吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。 我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。 「ま、たまたま…