私の好きなキャラクター

「絶対,最強の恋の歌」の「木戸さん」を久しぶりに見て,
小説にとってキャラクターは重要だなぁと改めて思いました。
というわけで(?),私が最近読んだ小説や漫画の中で,
お気に入りのキャラクターについて,ちょっと書いてみたいと思います。
ちなみに,キャラによって「さん」付けだったり呼び捨てだったりしますが,
その辺はすべて私の頭の中での呼び方なので,気にしないでくださいw


響野さん(「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂幸太郎

私の中では「キャラ小説家」となっている伊坂氏w
個性的なキャラクターが次々に登場しますが,
その中でも最も印象に残っているのが響野さん。
銀行強盗の最中に演説をぶつシーンは,今も忘れられません。
(てか,映画版は演説のセリフを変えやがったのが許せませんw
銀行強盗は「今日は記憶の話をしましょう。」ではじまらないとダメなんだよぉ!)
その他,「ロマンはどこだ?」(映画版のキャッチコピーになっていました)
に代表される名言の数々や,傍若無人で空気を読もうとしない態度など,
キャラ濃すぎですが,読んでいるとどうしても惹かれてしまうんですよね。


西嶋(「砂漠」 伊坂幸太郎

伊坂作品の中でもっともダサいキャラクターといえば西嶋しかいないでしょう。
伊坂の作品に登場する人物は,皆やたらとスタイリッシュで格好いいのですが,
西嶋だけは小太りで,主張もやけに暑苦しい。
伊坂作品の中でも特殊なキャラクターだと思います。
(しいて言えば響野さんに近いけれど,西嶋の方は基本的にダサいんだなぁw)
口調から見てもモデルはサンボマスターの山口氏なのでしょうけれど,
彼を青春小説の中に放り込むと,本当にしっくり来るんで笑いましたw
主観だけで行動する彼のやり方は,ある意味うらやましい部分もあります。
ダサいんだけれど,格好いい。そんなキャラクターですね。


木戸さん(「絶対,最強の恋の歌」 中村航

先日取り上げたばかりですが,一応。
作中で何一つまともなことはしていないのですが,
彼のセリフや行動の一つ一つが面白い。
近くに居たら困るだろうけど,でもやっぱりうれしいかも,
と思ってしまうキャラクターです。


ウルシバラ(「リレキショ」 中村航

暑苦しいキャラクターばかりを紹介しているので,女性も。
彼女の名前は漢字で「漆原」ですが,
やはりかたかなで書いたほうがしっくりきますね。
作中で実際に登場することはあまりないのですが,
なんといっても「半沢良」に対して送る手紙の内容が面白い。
個人的には,「デンパ癒し系」だと思っているのですがw
特に印象に残っているのがこの言葉。

家の中は快適で安全で,馴染みよく閉じています。
湿度だってちょうど良いし,お風呂だってあります。
好きなときに外に出ることができます。外にいて家に戻る生活よりも,
家にいて外にも出る生活のほうが私にはあっているようなのです。

中村氏の独特の感性だよなぁ。そして,出不精の私にとっても,
とても共感できる言葉なのでした。
アクティブなだけが人生じゃないんですよ。ええ。


アシュレイ(「マルドゥック・スクランブル」 冲方丁

ストレートに格好いいキャラってそれほど好きではないのですが,
アシュレイはもう,格好いいとしか表現できないほど格好いい。
マルドゥック・スクランブル」において,ラスボスは「ボイルド」ですが,
個人的にはアシュレイが一番印象に残りました。
あのブラックジャックの迫力あるシーンは,このアシュレイ無しには語れません。
続編の「マルドゥック・ベロシティー」はボイルドメインの作品のようですが,
アシュレイでも一作,作ってほしいなぁ。難しいだろうけど。


大阪さん(「あずまんが大王」 あずまきよひこ

もう,大阪さんについてはなんと言っていいのやらわかりません。
女子高生にして,勉強できない,運動できない,胸もないw
長所と言えるものがなぁんにもないんですが,それでものほほんと生きていて,
見ていてとても癒されます。
実際,あそこまでだめな人間が,
現実の世界でのほほんとは生きていけないんでしょうけどw
まあ,そこは悪い人のいない「あずまワールド」なので気にしない。
独特の感性から生み出されるデンパ発言の数々には,何度も笑わせられました。
…もう続編は出ないんだろうけど,一度くらいはその後を描いてほしいなぁ,
あずまんが大王


よつば(「よつばと!」 あずまきよひこ

何でも楽しめる,無敵の5歳児よつばは,私にとって究極の癒し系キャラです。
無論,よつばの魅力は周囲の大人によって引き出されているんですが,
よつば自身の無邪気さや突拍子もない行動などに,何度も笑わせられ,
そして癒されています。
特に,5巻の「よつばとはれ」「よつばとうみ」で見せる
よつばのはしゃぎっぷりは,見ていて妙に幸せな気分になりました。
6巻ももうすぐ発売されるので,とても楽しみです。


川村七竈(「少女七竃と七人の可愛そうな大人」 桜庭一樹

桜庭氏の作品の中で最も印象に残っているキャラクターと言えば
海野藻屑(うみのもくず)なのですが,藻屑を好きなキャラと言うのはさすがに抵抗が…w
というわけで,呪われたような美貌を持つこの少女を挙げました。
七竈はメインキャラクターにしてはふざけた設定で,鉄道マニアだったり,
喋り方が妙に古風だったりするわけですが,
それでもしっかりとシリアスな物語として成り立っているからすごい。
そういえばこの作品,七竈の祖父や犬のビショップ,緒方みすずなど,
登場するキャラクターすべてが魅力的でした。
キャラ作りのうまさは,ラノベ出身の作家ならではという感じでしょうか。


とまあ,ざっと思いついたのでこのくらいでしょうか。
好きな作家さんの作品ばかりなのは仕様です。
全体的な傾向としては,ウザイ系と癒し系とデンパ系ですねw
…そういえば,「暗いところで待ち合わせ」のミチルを忘れていた…。
まあ,機会があればまた書いてみます。好きなキャラクター。