山本弘

「詩羽のいる街」

賀来野市には、金も持たず住む場所もないのに、他人同士を結びつけ、幸せをもたらす女性がいるという。彼女の名は詩羽――現代に存在自体が奇跡の人を圧倒的な論理の力で描き、形容しがたい感動を呼ぶ奇跡の物語! 面白い作品でした。しかし、この面白さは「物…

「まだ見ぬ冬の悲しみも」

時間的同一性交換によって6カ月前の世界へ向かった俺が見たのは、すべてが燃えあがり、あらゆる生命が死滅した終末のパノラマだった―タイムトラベル実験の恐るべき顛末を描いた表題作、謎の異星生命体との危険なコンタクトを果たした詩人の手記にしてSFマ…

「MM9」

地震、台風などと同じく自然災害の一種として「怪獣災害」が存在する現代。日本を襲い来る多彩な怪獣たちと戦う気象庁特異生物対策部、通称・気特対部員たちの活躍を描く。『ミステリーズ!』掲載に書き下ろしを加え単行本化。 今まで読んだ山本弘作品(「ア…

「闇が落ちる前に,もう一度」

この宇宙はどうして生まれたのか?宇宙の果てはどうなっているのか?“宇宙の本当の姿”を追い求め、ある独創的な理論に到達した宇宙物理学者。しかしこの理論に従うと、宇宙の寿命はわずか17日間ほどでしかなくなる。バカバカしいまでの理論の誤りを証明する…

「神は沈黙せず」 山本弘

幼い頃に理不尽な災害で両親を失って以来、 家族で信仰していた神に不信感を抱くようになった和久優歌。 やがてフリーライターとして活動を始めた彼女はUFOカルトへ潜入取材中、 空からボルトの雨が降るという超常現象に遭遇する。 しかしこれは、「神」の意…

最近,読み始めても最後まで読み進められない,という本ばかりに当たっていたので, 日記を更新する気も起こりませんでした…。 ここは,相性のよい書評家である大森望氏が薦めている本でも読んでみるか, と思って読んだのが「アイの物語」。結論から言えば…