「まだ見ぬ冬の悲しみも」

時間的同一性交換によって6カ月前の世界へ向かった俺が見たのは、すべてが燃えあがり、あらゆる生命が死滅した終末のパノラマだった―タイムトラベル実験の恐るべき顛末を描いた表題作、謎の異星生命体との危険なコンタクトを果たした詩人の手記にしてSFマ…

「読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才 激闘編」

書評界の両雄、北上次郎と大森望がオススメ本を持ち寄り判定しあう異色の対談ブックレビュー(季刊SIGHT誌連載)が3年ぶりに続刊刊行です!未発表分を大幅加筆し、各年のブック・オブ・ザ・イヤーを含むエンターテインメント小説談義・どっさりずっしり136冊分…

「戦争広告代理店」

「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクショ…

「MM9」

地震、台風などと同じく自然災害の一種として「怪獣災害」が存在する現代。日本を襲い来る多彩な怪獣たちと戦う気象庁特異生物対策部、通称・気特対部員たちの活躍を描く。『ミステリーズ!』掲載に書き下ろしを加え単行本化。 今まで読んだ山本弘作品(「ア…

「死者のための音楽」

…おばあちゃん、まるで後を追うみたいだったね。病院で、返事をしないおばあちゃんにむかって、話しかけてたよね。「ねえ、音楽は聞こえてる?」(「死者のための音楽」より)。怪談専門誌『幽』の連載で話題騒然の作家、待望の初単行本。 和風のホラータッ…

「夏のロケット」

火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリーの筋立…

「石の花」

これもユーゴ関連作品。第2次大戦時でユーゴにナチスが攻め入った時期から,終戦に至るまでを描いています。 ユーゴについて,対戦時の話は読んだことがなかったので,興味深く読めました。特に,ナチスがクロアチアの独立を宣言することで,セルビア人とク…

「さよなら妖精」

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込…

「6ステイン」

愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。著者が織…

読んだ漫画3冊

とりあえず簡単に感想を書いてしまおう。 「カラスヤサトシ3」 「カラスヤサトシ」1巻目のときとはうってかわって,最近はすっかり売れっ子のカラスヤ氏。こんなに早く3巻目が出るとは思っていなかったなぁ。確かに,結構いろいろな雑誌などで漫画かいていた…

「悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記」

「世界の悪者」にされNATOの空爆にさらされたユーゴ。ストイコビッチに魅せられた著者が旧ユーゴ全土を歩き、砲撃に身を翻し、劣化ウラン弾の放射能を浴びながらサッカー人脈を駆使して複雑極まるこの地域に住む人々の今を、捉え、感じ、聞き出す。特定…

「自壊する帝国」

第38回大宅ノンフィクション賞受賞、第5回新潮ドキュメント賞受 賞、「新聞・雑誌の書評担当者が選ぶ最高! の本」第1位獲得−−。 国際スパイ小説よりスリリング! 外務省きっての情報マン、「ラスプーチン佐藤」はいかにして誕生したのか? 待望のインテリジェ…

更新再開?

突然の転勤で急に引っ越すことになったり,仕事の引継ぎでばたばたしたり,なんとか引越しが住んだと思ったら友人が倒れて大変なことになったり…と,まぁいろいろあって,この日記はすっかり放置しておりました。。。 それでも本のほうはぼちぼち読んでおり…

「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」

ロシア外交、北方領土をめぐるスキャンダルとして政官界を震撼させた「鈴木宗男事件」。その“断罪”の背後では、国家の大規模な路線転換が絶対矛盾を抱えながら進んでいた―。外務省きっての情報のプロとして対ロ交渉の最前線を支えていた著者が、逮捕後の検察…

「時砂の王」

西暦248年、不気味な物の怪に襲われた耶馬台国の女王・卑弥呼を救った“使いの王”は、彼女の想像を絶する物語を語る。2300年後の未来において、謎の増殖型戦闘機械群により地球は壊滅、さらに人類の完全殱滅を狙う機械群を追って、彼ら人型人工知性体…

「闇が落ちる前に,もう一度」

この宇宙はどうして生まれたのか?宇宙の果てはどうなっているのか?“宇宙の本当の姿”を追い求め、ある独創的な理論に到達した宇宙物理学者。しかしこの理論に従うと、宇宙の寿命はわずか17日間ほどでしかなくなる。バカバカしいまでの理論の誤りを証明する…

「日傘のお兄さん」

それは突然だった。保育園の頃、毎日遊んでくれた大好きなお兄さんが、中学生になった夏実の前に現れた。「追われているんだ。かくまってくれないか」なんとお兄さんはロリコン男としてネット上でマークされていて!?こうして、夏実とお兄さんのちょっとキ…

「BAMBOO BLADE(1巻〜7巻)」

私立室江高校の剣道部顧問・コジローこと石田虎侍はその日の食事にも困る貧乏生活の日々を送っていた。そんなある日、高校時代の先輩である石橋賢三郎から練習試合の話を持ちかけられる。石橋が顧問を務める町戸高校剣道部に勝ったら、1年間寿司食べ放題。し…

「ばいばい,アース」

いかなる種族の特徴も持たない孤独な少女ベル。師シアンのもとを離れ、ただ1つ「唸る剣」だけを手に、今、旅人となるための試練を受ける-。勇気、冒険、幻想の世界。自らのルーツを求める少女の長編ファンタジー小説。 都市を支配する神。存在自体が神の法と…

「私の男」

消費されて終わる恋ではなく、人生を搦めとり、心を縛り支配し、死ぬまで離れないと誓える相手がいる不幸と幸福。 優雅で惨めで色気のある淳悟は腐野花(くさりのはな)の養父。物語はアルバムを逆から捲るように、二人の過去へと遡る。震災孤児となった十歳…

「夢見る黄金地球儀」

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ1億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった――はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平…

「銀輪の覇者」

戦争の足音が忍び寄る昭和九年、軍部の暗躍から実用自転車を使用した前代未聞の本州縦断レースが開催される。多額の賞金を狙い寄せ集めチームを結成した響木、越前屋、小松、望月の四人は、各々異なる思惑を秘めつつ、有力チームと死闘を繰り広げるが…。一攫…

「キノの旅11」

ある春の日。山からの冷たい雪解け水が、森の緑に活力を与え始める頃―――。 朝の日を背に受けて、キノとエルメスは、とある国を見下ろす山の上にいました。あとはもう道を下っていくと、そこにある森に囲まれた広い城壁の中へと、城門へとたどり着く場所でし…

「鹿男あをによし」

「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」 神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」。失意の彼は、教授の勧めに従って2学期限定で奈良の女子高に赴任する。ほんの気休め、のはずだった。英気を養って研究室に戻る、はずだった。あいつが、渋…

「涼宮ハルヒの憤慨」「涼宮ハルヒの分裂」

「涼宮ハルヒ」シリーズも,ようやく最新刊まで追いつきました。4巻目の「消失」を読んだときのテンションだったら,最新刊まで一気読みだっただろうと思うのですが,どうにも「消失」以降はぱっとしない印象が。それでも読み続けているのは,とりあえずはす…

「ブラックペアン1988」

外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。 「チーム・バチスタ」シリーズの外伝にあたる作品で,高階が東城大学に着任し…

「あなたがここにいて欲しい」

懐かしいあの日々、温かな友情、ゆっくりと育む恋―僕は、守り続けなきゃならない。『100回泣くこと』の中村航が贈る、静かで優しい物語。 私が読んでいる中で,女性に薦めたらモテそうな作家No.1といえば中村航氏でしょうw おそらく,私はまったく対象読…

「銀河英雄伝説 7巻〜10巻」

正伝10冊,読みきりました!いやぁ,とにかく楽しませていただきました。これほど長い作品を読んだのはおそらく初めてになるでしょう。シリーズものとして,全体的に完成度の高い作品でした。大きな物語の流れはもちろんありますが,一つの巻で一つのエピソ…

最近読んだ漫画

読んでいる漫画が一気に発売されたので,一気に読みました。その感想をちょこっと…。 「よつばと! 7巻」待ちに待った7巻。しかし,どんなに待っても1日で読み終えてしまうんだよなぁ。 相変わらず面白いです。一番好きだったのは「よつばとでんわ」。個人的…

「サクリファイス」

勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。二転三転する〈真相〉、リフレ…